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作成日 : 2020-09-29
色収差(chromatic aberration)

色収差(chromatic aberration)は、対象に色ズレを発生させて「バーチャル感」「エラー感」などを表現する手法です。元々は、レンズを通った波長ごとの「光のズレ」が「色ズレ」として現れる現象を指します。

赤・緑・青に分解することが一般的ですが、重なって元の色になればどのような色の組み合わせでも問題有りません。

原理
1. 実際の原理は無視すると
最終的に中央に元の色周りに鮮やかな色があれば何色であっても色収差のように見えます。
2. 実現する方法
  1. 色を取り出して重ねる
  2. 色を塗って重ねる
0から作る場合、大きく分けてこの2種類の方法があります。汎用性があるのはAです。
3. 各色を取り出す(今回は赤・緑・青)
元となる絵から「赤・緑・青」のみを取り出した絵を作ります。取り出す色、例えば赤の値は元の色に含まれる赤の値に依存します。そのため綺麗な色収差を実現するには、元の色は全色が完全に含まれる白で有ることが理想的です。

After Effectsでは、3つに複製して「チャンネル設定(Set Channel)」や「チャンネルシフト(Shift Channel)」で色を取り出します。

色を取り出すのではなく「赤・緑・青」に塗って重ねる場合は、「塗り(Fill)」や「色かぶり補正(Tint)」などを使っても良いでしょう。
4. 各色をずらす
各色を元の位置からずらします。位置だけではなく大きさや形を変更しても良いでしょう。
今回のメインアニメーションでは断続的にズレを変化させ、より強い表現にしています。
5. 各色を重ねる
各色を加算(Add)モードで重ねます。
元の色から取り出した色を再度重ねるので、すべて重なった部分は元の色(今回は白)になります。
6. 白以外の場合
前述の通り、元の絵が白以外だと各色が弱かったり偏りが発生します。
例えば、「赤が強い色・白」に同じ色収差を適応させた場合、緑と青が暗く、赤色が個別に動いているように見えてしまいます。
そのため、色収差の表現は白をベースとして利用するのが無難でしょう。
7. 背景色
加算(Add)は背景にも適用されます。
背景の各色が弱い(黒に近い)場合は思い描いた色になりますが、背景の色が強くなると重ねた結果に影響を及ぼします。
After Effectsの場合は、重ねた絵をプリコンポーズして背景とは別にすることで背景の色が強くても色を保って表示されます。
8. 実写の場合
実写には様々な色が含まれているので、全体に変化がない絵よりもメリハリのある絵のほうがズレが綺麗に見えます。
常にずらすのではなく、特定のタイミング(例:衝撃が発生した場合)に一瞬ずらすとより効果的です。
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